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ウキを科学する 序章
流体力学と水力学-1
流体力学と水力学-2
既存のウキを考える
水槽実験での考察と検証-1
水槽実験での考察と検証-2
水槽実験での考察と検証-3
水槽実験での考察と検証-4
ウキの製作-11
ウキの製作-2
ウキの感度と浮力の関係
最終章 イナバウキの数々
01 キムチの起源
02 キムチの栄養と乳酸発酵
03 ニンニクの原産地と語源
04 唐辛子伝来の歴史
05 ショウガとウコン
06 稲の原産地と日本
07 焼きたてパン信仰
08 エゴマはゴマではありません
09 箸の文化は日本の文化です
10 焼き肉文化と韓国の肉食の歴史
11 日本の食文化・刺身の起源
12 韓国の冷麺スープを考える
13 ジャガイモと馬鈴薯
14 メンマの由来と味付けメンマ
15 宵越しのお茶は体に悪いのか
16 お粥は消化吸収が良くない
17 ごぼうにアクはありません
18 蕎麦の原産地と日本への伝来
19 もつ鍋のコラーゲン
20 砂糖の伝来
21 ドングリは食用になるのか
22 サツマイモの伝来とアグー豚
23 蒟蒻(こんにゃく)の伝来
24 日本の肉食禁止の内実
25 パンとご飯 どちらが痩せる?
26 辛いものは脳に悪いか
27 日本の割り箸の種類
28 冷麺は寒い冬の食べ物だった
29 中国がキムチの起源を主張
30 世界の食用油 食用油の種類
 
ブログ So What
ウキの感度と浮力の関係・大きな誤解
感度と浮力は全く関係無し!

多くの方は浮力を極力殺し、水面ギリギリに浮揚するウキは、感度が高いとお考えではないでしょうか。確かにそのように解説しているサイトもあります。然しながら、これは大きな間違いです。
互いに異なる事柄を比較しても何の意味もなしません。比較には同一の条件を用意しなければなりません。これは「パンとご飯とどちらが美味しいか」を比較するようなもので、個々の好みに大きく左右されます。
「美味しい」と言う条件では比較には無理があります。例えば、「納豆はパンとご飯のどちらと一緒に食べれば美味しいか」と言う設問であれば納得できます。
比較するには、対象に共通した条件が必要です。パンとご飯はそれぞれが美味しく、それぞれが個々が育った環境や、生い立ち、食習慣等に大きく左右されます。ところが納豆と言う条件が加わるとことで、初めて両者を比較することが可能になります。
ウキも同じで、「浮力」と「感度」と言う、まるで異なった条件を、比較の対象に選ぶことはできません。浮力は物体を浮揚させる力のことで、感度は初期動作の鋭敏性、つまり如何に速く反応できるかという即応性のことです。

アルキメデスの原理 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
アルキメデスは「静止した流体中にある物体は、その物体が排除した流体の重量と等しいだけの上向きの力が生じる」ことを発見しました。つまりこれが浮力です。
沈降するウキも原理は全く同じで、己が排除した水と同じ重さだけ見かけ上は軽くなり、上向きの力が発生します。この上向きの力を可能な限り小さくすることが肝要になってきます。
ただ、浮力は小さければ小さい程、僅かな力を加えただけで沈降しますが、これを感度の良し悪しの判定基準にすると間違いが生じます。
水面ギリギリを浮揚する物体は、浮力を上回る負荷さえ加われば沈降するのは当たり前のことで、例え、それが10万トンのタンカーでも、10gのウキであっても、浮力が1gだけであれば、1gの負荷を加えればサスペンドし、それを上回れば静かに沈降します。
一方、感度とは如何に速く反応するかと言う「即応性」と「鋭敏性」の問題で、浮力1gの10万トンタンカーと10gのウキの双方に、2gの負荷を加えた時の初期動作を指します。
タンカーもウキも共に水中での見かけ上の重量は、僅か1gですので、残される問題は摩擦抵抗のみの筈です。
つまり、沈降する際の抵抗が小さければ小さいほど、加えられたエネルギーの損失は少なく、エネルギーを効率良く保持し続けることができる訳です。結果、より早く沈降に移行し、更に沈降するエネルギーをより長く保ち、より深くまで到達できます。
誤解: 感度=抵抗が少ない

理想的なウキは、加えられた一瞬の力を可能な限り減衰させずに、その変化を釣り人に的確に伝えることが出来る表現能力が豊かさが大変に重要になります。
「感度=抵抗が少ない」と言う意味では、感度は浮揚する「物体の形状に由来する」と本文で何度も書きましたのでここでは詳しく触れませんが、移動する物体は必ず進行方向後ろに発生する渦流により、後方へ引っ張られる力が発生し、急激にエネルギーの減衰を引き起こします。
この発生する渦流、即ち「カルマンの渦流」がウキの動作にもたらす影響は著しく大きく、これを見落としてはウキを語ることはできません。然しながら、この浮力と感度を混同して解説しているサイトもあります。
イナバウキは基本的な使い方として、ウキトップのみを水面上に出します。つまりトップ以外は全て水面下にあり、そこに浮力は生じません。沈降した際の浮力は突出したトップが排除する流体と等しくなります。これはかなり少ないと思われがちですが、大型タイプでは中心を直径3mmのカーボン・ロッドが貫いているので、 沈降の際は無視できない抵抗が生じる筈です。そのマイナス要素を見事に補うのが比率1:4.5のイナバウキの形状なのです。
吸殻は決して海には捨てません! 胸にぶら下げている黄色の物が吸殻入れです
既にタバコは止めましたが…
    
 
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