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冷麺スープの基本は、野菜を使ったサッパリした▲※トンチミの汁を利用するものです。然しながら、最近は牛のスープを使ったものを見掛けることが多くなりましたし、韓国では牛のスープを使ったものが主力になっています。![]() ただ、韓国料理のスープは何故か牛を使ったものが妙に多いような気がします。そもそも朝鮮半島では歴史的にも牛を多く生産していたことはありませんし、放牧にも適しているとは思えません。実に不思議な感じがします。では、このやたらと牛を使う習慣は何時頃から始まったのでしょうか。 基本的に牛の飼育は広い土地と多くの牧草や穀類を必要とします。牛肉を1キロ生産する為に、約8キロの穀物を必要とし、豚肉1キロでは4キロ、鶏が2.2キロとなります。 つまり、食用の牛を育てる行為はエネルギー効率が極端に低くなります。ましてや冷麺が産まれた半島北側は山岳地が多く、牛を養えるような豊かな牧草地の余裕はありません。そもそもそのような場所があれば食料生産の為に穀物生産目的で開墾されていたでしょう。 食糧事情の決して良くない半島ですので、一般民衆(一部の特権階級を除く)が牛や豚を食生活に取り入れていたとは考えられず、またその種の文献も発見されてはいません。李氏朝鮮の宮廷の牧場でさえ、羊を除いては大した数を飼育してはいなかったことは文献からも明らかです。 |
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焼き肉文化同様、韓国での冷麺もまた朝鮮戦争をキッカケに、進駐軍の影響で始まったここ半世紀程の食習慣だと言っても良いでしょう。 確かに冷麺は長い歴史を持ってはいますが、蕎麦を主体とする麺料理は、元々良質な蕎麦を収穫できる北の文化であり、南のそれは小麦を主体としたうどん(クッス)です。 つまり、今の韓国における(日本も同じですが)冷麺は、小麦に蕎麦粉と澱粉を混ぜたものが主流で、本来の蕎麦粉と澱粉を混ぜて作る冷麺とは、厳密に言えば原材料も製法も異なる別の麺とも言えます。 この小麦に※蕎麦粉と澱粉を混ぜた現在の形の冷麺が作られたのは、朝鮮戦争当に時北から南へ逃れてきたも人々だと云われています。 ※蕎麦は微量の喫食であっても他の食品に比べ、重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーショック)が出易く、例え軽症であったとしても、喘息発作やクシャミ、蕁麻疹(じんましん)、嘔吐や大変に危険です。故に、最近では蕎麦を一切含まない製品も多く出回っています。 |
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![]() 1951/01/04 中国軍が朝鮮戦争に参戦し、国連軍が後退した時にソウルを脱出する市民 |
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恐らく故郷の麺料理を偲んで米軍放出品の小麦(戦時中であり国内産は当然のこと入手困難)を利用して作ったのが、今や大勢を占める小麦主体の冷麺のルーツだと言えます。太平洋戦争(第2次世界大戦)直後に日本の闇市で産声を上げた「焼き肉文化」とどこか似ていなくもありません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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戦地での軍隊は必要以上に食肉を必要とします。これは軍人の胃袋を満たす他に、現地住民に対する食糧援助が必要だからです。その中には横流しされてしまうものや、も解体した後に食用に供されない部位や骨が必ず出てきます。この残った部位や骨を使って最初のスープが作られたのだと考えられます。 この動乱のに北から避難してきた人たちの手により、南部で採れる小麦を主体とした新しい冷麺が生み出され、それが定着したものと考えられます。 |
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![]() 玉流館・金剛山支店tと平壌冷麺 |
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今や先進国はみな飽食に突入し、国際間の頻繁な取引や、乱れ飛ぶ各種の情報により、伝統的な食文化を大きく変貌してしまうことも少なくありません。魚介類や根菜、山菜等を常食とするヘルシーな韓国料理のイメージは、今やそのメインが焼肉だと錯覚するほど牛肉に偏っています。 何より不思議なのが、他のアジアの国々では豚や鶏が多く消費されるのに比べ、牛が幅を利かせているアジアで唯一韓国だけです。 ▼ 下は「主な国の肉類の消費量の割合」 クリックで拡大画像を表示します。 |
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