食の雑学 その17
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食の雑学
 食の雑学 
01 キムチの起源
02 ニンニクの原産地と語源
03 唐辛子伝来の歴史
04 ショウガとウコン
05 稲の原産地と日本
06 焼きたてパン信仰
07 エゴマはゴマではありません
08 マーガリンに潜む危険性
09 箸の文化は日本の文化です
10 焼き肉文化と韓国の肉食の歴史
11 日本の食文化・刺身の起源と歴史
12 韓国の冷麺スープを考える
13 ジャガイモと馬鈴薯・日本への伝来
14 メンマの由来と味付けメンマの起源
15 なぜ宵越しのお茶は体に悪いのか
16 お粥は消化吸収が良くありません
17 ごぼう(牛蒡)にアクはありません
18 蕎麦の原産地と日本への伝来
19 もつ鍋のコラーゲンに美容効果はない
20 砂糖の伝来
21  ドングリは食用になるのか
22 サツマイモの伝来とアグー豚
23 蒟蒻(こんにゃく)の伝来
食の雑学・補足
 補 足
01 キムチの賞味期限
02 キムチと乳酸発酵
03 唐辛子日本伝来説に異論
03 馬鈴薯とジャガイモは別物!
04 パンとご飯 どちらが痩せる?
05 辛いものは脳に悪いか
06 キムチは日本起源?
07 中国がキムチの起源を主張
08 世界の食用油 食用油の種類
09 冷麺は寒い冬の食べ物だった
10 日本の割り箸の種類
11 日本の肉食禁止の歴史
東京裁判が行われた陸軍省
モリアザミの根
モリアザミの根
モリアザミの花
モリアザミの花
食品の「ヤマゴボウ」は、キク科のアザミ属する日本原産の植物を加工したもので、自生していたモリアザミ(森薊)を栽培したものです。
一年ものの若い根を食用とし、その大きさは1cm程度で長さは30~40cm程で、特有のつい香りがあります。生産地は長野県や東北地方、北海道で、ヤマゴボウの呼び名は形がごぼうに似ていたからです。
最近はモリアザミではなく、普通のゴボウの若い根を使っていることが多いそうです。所謂「偽物」ですネ。

アザミ(薊)の名の由来
アザミの名の由来には、幾つかの説がありますが、「薊・アザミ」は鋭い棘のある魚のような草の意で、「硬い棘が多く驚きあきれるさま」を表す「惘・あざむ」の「む」が「み」に変化して「アザミ」になったとする説が個人的には納得できます。
日本の伝統の色
Traditional Japanese colors 
 
ブログ So What
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ごぼう(牛蒡)にアクはありません
牛蒡の花
ゴボウ Arctium lappa L.
ごぼうの原産地はユーラシア大陸北部から中国にかけての広い地域で、日本に伝来したのは縄文時代だと云われています。従って、日本にあるものは全て改良された栽培種です。
関東ではごぼうの代表「滝野川ごぼう」や「大浦ごぼう」等の長いタイプのものが栽培され、関西では逆に京都の「堀川ごぼう」のような短いものや、初夏に未熟なごぼうの根と葉を食べる「葉ごぼう」等が栽培されています。主な産地は茨城県で、全国の生産量の約半分を占めています。
日本では野菜として利用されているゴボウですが、中国では主に漢方薬として利用され、わざわざ栽培してまで食用にしているのは、アジアでは日本と韓国、それに台湾だけです。ヨーロッパの一部では新葉をサラダに入れて使われています。
韓国の知人に訊いたところでは、韓国のごぼうは40~50cm位の長さで、日本の通常のものよりは僅かに太く、その価格も日本と比べやや高めだそうで、それ程多くは食べられていないようです。
一方、台湾では日本統治時代に日本から持ち込まれその栽培が始まり、白肌で肉の軟らかな最高品種の「柳川理想」をはじめ、「白肌」、「瀧野川」、「魁白肌」、「東北理想」等の品種があります。然しながら、実際に野菜として普段から食べられているかと言うと、これも韓国同様あまり多くはありません。主に「ごぼう茶」や薬膳料理として利用されています。
また、台湾のごぼうの出荷は殆どが日本向けで、スーパー等でよく見掛ける「切りごぼう」や「ささがきごぼう」は大部分が台湾産だとされています。
日本での食用としての利用はそれほど古くはなく、江戸時代後期から明治時代にかけてとされています。薬膳では身体の余計な熱をとつとされ、発熱性の風邪や、咽の炎症に使用されます。その種は「牛蒡子・ごぼうし」と呼ばれ、解熱、解毒作用があり、風邪薬や吹き出物の生薬として使われています。「朱良春老師用薬控」には「牛蒡子は味辛苦で性は涼。肺と胃経に入り、疎散風熱、宣肺透疹の効がある」とあります。またごぼうの根も乾燥させて煎じたり、摩り下ろして搾って飲んだりもします。
ごぼうの主な栄養成分は炭水化物で、その大部分(下の表を参照)が食物繊維です。しかし、豊富に含まれる食物繊維には利尿や腎臓機能を高め、食物の吸収を緩やかにする為、血糖の急激な上昇を抑制することが知られています。
また、不溶性食物繊維のヘミセルロースリグニンは、悪玉腸内細菌の繁殖を効果的に抑制し、水溶性食物繊維のイヌリンはコレステロール値の低下に有効だとも云われています。更に、含まれるアルギニンには滋養強壮効果もあるとされています。
ごぼうの栄養素 (可食部100g当たり・産地その他で異なります)

エネルギー 蛋白質 脂質 糖質 カリシウム
76kcal 2.8g 0.1g 16.2g 49mg 0.8g

ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC ビタミンE 食物繊維    
0.04mg 0.07mg 4mg 0.5mg 8.5g    

未だに多くの料理本は、ごぼうは何度も水を替えてアク抜きをするように勧めています。しかし私はかなり昔からごぼうのアク抜きは行ったことがありません。何故なら、ごぼうにはアクが殆どないからです。
恐らく多くの方が空気に触れて褐変した状態のごぼうを見て、これは「アクによるものだ」と勝手に誤解したものと考えられます。また煮物などの場合も煮汁が黒くなってしまうのは確かです。黒くなるのが嫌なら一度酢を入れたもので茹でこぼしてから使えば良いかと思います。その場合ごぼうの栄養に与える影響は定かではありませんが…
水に晒すと水が褐色になるのはアクではなく、実はクロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールの一種が溶け出しているからなのです。です。
クロロゲン酸は抗酸化力が強く、生活習慣病予防や抗癌作用、美肌効果もあると云われています。このクロロゲン酸は表皮の2~3ミリ下辺りまでに多く含まれます。つまり、、ごぼうの健康効果を充分に引き出すには、皮を剥かずに調理するのが最良だと言えます。仮に皮を剥くとしても、栄養素の損失を最小限に留めることに留意して下さい。
ごぼうと東京裁判
ゴボウにまつわる噂として「東京裁判・極東国際軍事裁判」が挙げられます。これは「戦時中、外国人捕虜にゴボウを与えたところ、木の根を食べさせられたと誤解され、戦後にBC級戦犯として処罰された」というものであり、一種の都市伝説のよなもので、実際には戦犯として処罰されたとの記録は確認されていないようです。 より詳しく知りたい方はこちら
ごぼうチップスを作る
ゴボウチップス
ごぼうごぼうの薄切り
ごぼうは土を洗い落とし、硬めのナイロンたわしで、表面を擦って汚れとヒゲ根を取り除きます。特に皮を剥く必用はありません。これを斜めの薄切りにし、160~170℃の油でカリカリになるまで揚げます。
最初から油温を上げず、徐々に上げて行ったほうが、ゴボウの水分を抜くには適しています。ゴボウから水分が抜くてくると、油の表面が白く泡立ちます。この泡立ちが消える頃には、ゴボウは元の大きさの半分程度にまで縮まっています。
ここまで来ればあと一息で完成です。揚げたごぼうは油が完全に切れる前に塩や粉唐辛子を振って完成です。至って簡単で美味しい「ごぼうチップ」がこれで出来上がります。
韓国のゴボウに関したHP

韓国のゴボウ畑が写っているHP

海外のごぼう取扱企業

LIST OF COMPANIES
LIST OF COMPANIES ではごぼうを取り扱う海外の会社情報を検索できます。恐らく、これらの会社の殆どが日本商社との契約で出荷しているものと考えられます。
これを見た限りでは日本、韓国、台湾、以外にもごぼうを生産している国は結構あることが判ります。
然しながら、これらの国または地域で、ごぼうが食料として一般に浸透しているか否か、となると話は全く別で、実際に確認できたのは日本以外では韓国と台湾のみでした。韓国の知人に訊いたところによると、価格は日本のものに比べやや高めで、一般にはそれ程食べられてはいないそうです。
一方、台湾はと言うと、日本統治時代に栽培が始まり、「柳川理想」「白肌」「瀧野川」「魁白肌」「東北理想」等の品種があります。然し、こちらでも実際に野菜として普段から食べられているかと言うと、これも韓国と同様で、決して多くはありません。主に「ごぼう茶」や薬膳料理として利用されています。また、台湾のごぼうを生産者は、日本商社との契約農家が多く、その出荷の殆どが日本向けです。スーパー等でよく見掛ける「切りごぼう」や「ささがきごぼう」は大部分が台湾産だとされています。
因みにヨーロッパでは若葉をサラダにするようですが、フランス料理で、根をミルクで煮て独特の香りを消して使う料理があると聴いたことがありますが、ネット検索では見つけることができませんでした。何方かご存知の方がありましたら、掲示板またはメールにてお知らせ頂ければ嬉しいです。

ヨウシュヤマゴボウ

洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ) http://linghum.blog119.fc2.com/blog-entry-13.html
一般にヤマゴボウ(山牛蒡)と呼ばれるものには、明治初期にアメリカから渡来したヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)や、中国から渡来したタイワンヤマゴボウ(台湾山牛蒡)、日本の在来種であるマルミノヤマゴボウ(丸実の山牛蒡)がありますが、いずれも毒草で、これが食用に供されることはありません。 くれぐれも混同して口にしないようご注意下さい。
日本の伝統色・色の呼び名
Traditional Japanese colors