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実戦操体法研究会 腰痛と膝痛の改善
体のバランスを保つ操体法の六つの体操

ここからは歪みの調整ではなく、歪みを招かないための予防法ともいえる操体法「六つの体操」の解説です。六つの体操は、操体法の基本的な動きを全て含みます。不具合の調整にも積極的に活用できますし、日々これを行うことにより、体の歪がとれ、快適に過ごすことも可能となります。
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【図-50】六つの体操の基本姿勢 【図-51】六つの体操 その@
【図−50】は「六つの体操」基本姿勢です。まず、両脚を腰の幅ぐらいに開き、体の力を抜き、背筋を伸ばします。手は自然に下げ、目は正面を見つめます。この時、足が外側や内側に偏らないように注意します。
体操@:【図-50】の状態から静かに【図-51】のように両手を水平になるように上げ、軽く静止させた後に、力を抜き一気に落とします。どちらかの手があげにくい場合は、上げ難い側の足に重心を移動することで無理なく水平に上がるようになります。
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【図-52】
腕を大きく振り強く足踏みをする
 【図-53】
軽く膝を曲げて前に体を倒す
体操そのA:基本姿勢から両脚を閉じ、踵をつけ、腰をひき、背筋を伸ばし、あごを引きます。【図-52】のように、正面を見据え、膝が直角になるように高く上げ、手を大きく振り強く足踏みをします。この時、足の裏が床に水平に着くようにし、これを3050回行います。この体操は脚がつった時に効果があります。
体操そのB:基本姿勢から上体を【図-53】のように軽く膝を曲げ前に倒します。頭は内側に引き込むようにし、背を丸め、手はダラリと力を抜いて垂らします。充分に倒したところで一息入れ、今度は【図-54】のように徐々に上体を起こしてゆきます。この時、最初にまず頭持ち上げてから徐々に膝を伸ばし上体を引き起こすようにします。基本姿勢に戻ったところで【図55】のように腰に手を当て、上体を【図-56】のように徐々に後ろに反らします。
この一連の動作は一つ一つにメリハリをつけて、丁寧に且つゆっくりと4〜5回行って下さい。前に倒すと違和感を強く感じる人は後ろに反らす動作だけ行い、後ろに反らすと違和感を感じる人は前に倒す動作にみを行い、決して無理をしないで下さい。操体法は苦痛を伴わず、楽に歪みを改善できる身体調整法です。
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【図-54】上体を徐々に引き起こす 【図-55】
基本姿勢戻り腰に手を当てる
 【図-56】上体を後ろに反らす
体操そのC:基本姿勢から軽く脚を開き、【図-57】のように片手を軽く腰に、片手を大きく円を描くように、ゆっくりと上体を倒します。ここで大切なことは、上体を倒す内側ではなく、外側になる側の腰(赤丸)の重心を移します。すると自然と反対側の踵が浮くはずです。この軸足の使い方を間違うと、腰に不具合を生じさせる恐れがあります。特に横方向に歪が生じている人は注意が肝要です。特定の方向に「不快」や「違和感」を感じる場合は、その逆の方向へ多少強く、多めに(3〜5回)に行って下さい。当然これも息を吐きながら行って下さい。【図-58・59】は上体を倒す際に踵が浮いた状態を示します。


注意:写真では手を当てる位置が低すぎますがモデルさんが綺麗なのでOK!でしょう。この体操を行う際は必ず腰に手を当てて行って下さい。
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【図-57】ポイントを押えて 【図-58】
伸ばす側の足の形に注目
 【図-59】
伸ばす側の足の形に注目
体操そのD:基本姿勢から軽く脚を開き、【図-60】のように両手を水平に広げ、上体を捻るようにゆっくりと回転させます。ここでも【図-58・59】同様重心は軸足に置きます。【図-60】の写真では軸足のつま先(赤丸)がこちら側を向いているのがよく判ります。この体操で大切なことは、軸足をしっかりと床に着け、動かさないようにすることです。軸足側がしっかり床を捉えていると反対側の踵は自然と持ち上がるようになり、充分な回転が得られるようになります。特定の方向に「不快」や「違和感」を感じる場合は、その逆の方向へ多少強く、多めに(3〜5回)に行って下さい。
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【図-60】
軸足をシッカリと床に着け回転させる
【図-61】
軸足をシッカリと床に着け回転させる
体操そのE:基本姿勢から【図-62】のように3〜5回大きく伸びをします。顔は正面に向け、【図-64】の赤枠内のように爪先立ちをした時に、踵が充分に床から離れるようにして下さい。両手の指は【図-63】のようにシッカリと伸び、天井に向けて充分に突き上げるようにします。爪先立ちは親指に重心をかけ、勢いを付けずにゆっくりと行います。最初はグラついても何度か行ううちに安定して体を伸ばすことが出来るようになります。
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【図-62】ゆっくりとつま先立ちする 【図-63】手の形に注目  【図-64
】親指に重心を移し踵を浮かせる
この操体法「六つの体操」を日々行うことで、歪みが自然と改善され、血行が良くなり、痛みが解消されて行きます。ただし守らなければならない幾つかのポイントはあります。テキストでは解り難い部分は是非「実戦操体法研究会」の講習をお受けになることをお勧めします。
正しく行う操体法は、まるで魔法にでもかかったかのように痛みが改善されます。しかし幾つかの大切なポイントを間違えて自己流でこれを行うと、逆に症状を悪化させます。
テキスト公開は操体法がどのような方法で歪みを改善させるのかを多くの方々に知って頂くことと、正しい操体法の普及を目的としています。
第1回研修講座初級編  完

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